子どもの心がわからない?

優等生が少年院に・・・

 A子は学習面でも部活面でも優秀な成績を収めており、親も自慢の優等生でした。出張が多い父親の分まで頑張らねばと思った母親は、人一倍熱心にA子をいろいろな習い事や学習塾に通わせてきました。しかし、A子は中学2年の夏頃から親に反抗するようになり、化粧や喫煙・夜遊びなどを始め、高校生になると暴走族に入りシンナーで身も心もボロボロになって少年院に入れられたのです。母親は「何一つ不自由なく育てどこに出しても恥ずかしくない子だったのに、悪い友達ができてから急におかしくなった。A子がちゃんと立ち直るまでは許せない。」と言います。A子も「立ち直って親を喜ばすようなことはしたくないし、かといってこのまま自滅していくのも嫌だ。もう死ぬしかない。」と言うまでになっていました。

 わかってくれたのは・・・

 A子が中学2年の頃になると、「うちの親は、私が何かする前に親が決めたことを押しつけるんです。だから家には居場所がなくなっていたんです。」と振り返るようになります。中学2年生(個人差はあります)という時期は、今まで大好きだった親に反発し、外の世界へと飛び出していく傾向を見せ始める点で、思春期の中でも特に注意が必要な時期だといわれています。小さな失敗も許さず、親の敷いたレールの上を歩くことを押し付ける親に反発するA子の心を受け止め、わかってくれたのは暴走族だけだったのです。

 言葉通りに受け取ると・・・

 子どもが親に反抗したり喫煙を始めたり、夜遊びをし始めた時に、親はどのように接すればいいのでしょうか。子どもに良くなってもらいたいと思うあまり、「親の言うことが聞けないなら出て行け。」などと言ってしまうと、子どもは言葉通りに受け取り、ますます親に反発し自暴自棄になってDVなども引き起こしやすいものです。子どもは自分でも悪いと思いながらも、親が自分を受け入れてくれるかどうか試していることが多いので、そのように言われると、「ウザい。どうせ私なんか要らないんだ。」ということになり、親と子の関係はますます悪化していくのです。

 本音を聴こう

 子どもの様子がおかしいと思ったら、子どもの本音を聴く努力を始めてみてはどうでしょうか。「何かあったの。」「どうしてほしいの。」と声をかけてみるのです。「うるさい。」「別に。」「ほっといて。」などと言われるかもしれません。「親に向かってなんていうことを言うの。」と腹を立てずに、腹をくくって反抗させてあげましょう。反抗期にある子どものレベルに合わせて売り言葉に買い言葉でやり取りするなら、親の貫録はなくなってしまいます。どんな子でも自分で解決していく力を持っています。それをそっと助けてあげるのが親の務めです。もし、子どもが頑張っても達成できない目標を親が押し付けていたなら、親子で話し合って目標を変えてみましょう。そのうち良い親子関係がつくられていくのではないでしょうか。

 このような問題でお悩みの方は、一人で悩まずにカウンセリングを受けてみてはどうでしょうか。気持ちが楽になるかもしれません。

 “ののはな”教育相談のHPnonohana.sunnyday.jpを尋ねてみていただければ幸いです。