いじめへの対処

 【傾聴・受容・共感的理解とは?】

  子どもが心を開いて心の痛みを親に話してくれるようになるには、「今、ここ」に居る子どもが何を考え、何を感じているかを、純粋な心で(親が抱いている先入観や常識、子どもへの期待、あるいは他人や平均値と比べて子どもを評価する考え方などは一切脇に置いておいて)、ひたすら(反論や説教をしないで)聴く傾聴する)ことです。

  そして話の内容が親から見て明らに誤ったものであったとしても、「この子はこのように考えているのだ。」と肯定も否定もせず(褒めも反論もせず)に受け止め(受容し)、あたかも自分がこの子の立場だったら、そのような言動をとるだろうと思った(共感的理解ができた)ら、「私があなただったとしても、あなたと同じようにするかもしれない。」と、理解できたことを伝えましょう。そうすることで、子どもは「親が自分のことを分ってくれている」と思い、親を信頼し、心を開くようになるのです。

5 いじめへの対処

(1)家庭での指導

1)いじめられている子どもの心を支える

 子どもより人生経験や社会生活を送る上での知識や技術に長けている親は、子どもの話をよく聞かないうちに、子どもを低く評価したり親の判断を押し付けたりしがちです。そのような親が、子どもから「いじめられている。」と打ち明けられた時は、どのように接すればよいのでしょうか。

 まず、親は子どもを一人の人間として尊重し(子ども扱いしないで)、子どもの話すことをひたすら傾聴し、子どもの気持ちを受容することに努めます(参照右コラム)。そして「よく話してくれたね。いじめは犯罪行為だから、いじめる方が一方的に悪く、あなたは悪くないよ。私はいつもあなたの味方だからね。」と言って安心させ、折れそうになっている子どもの心を支えることが大切です。

 さらによくわからない点は納得するまでよく聴いて、共感的理解を示し(参照右コラム)、「解決は学校に任せ、解決するまで学校には行かなくていいよ。私にできることは何でもしてあげるからね。」と言ってあげることです。そのような親を子どもは信頼し、いじめられた経験や辛い気持ちなども話すようになり、いじめをなくそうとする前向きな気持ちになっていくのです。 

2)いじめの事実を文章化する

 次の段階としては、いじめの事実を確認しそれを文章にして記録することです。子どもが受けたいじめについて、いつ、どこで、誰に、どのような行為を受け、どのような心身の苦痛を味わった(ている)のかを文章にまとめて記録します。これは、いじめかどうかを判定する重要な資料になります。加害者・学校を相手に真相を究明したり、いじめの再発を防ぐための話し合いを進めていったり、加害者との話がこじれて訴訟になったりした場合には、有効な資料となるものです。 

3)学校にいじめの解決と再発防止策を要望する

 前項で作成した文書をコピーしたものを保護者が担当教師に呈示し、いじめの解決を学校側に依頼します〔いじめを解決して児童生徒の一人一人に学習権をはじめとする人権表現の自由、幸福追求権など)を保障する責務が学校にはあるからです〕。念のために、同じ文書のコピーを校長宛に送付しておくことが、担当者の段階で報告がストップするのを防ぐためには有効です。

【いじめに関わる学校の責任】

 公立学校の責任(安全配慮義務違反、不法行為責任、国家賠償法上の責任)は、法律で定められた職務を適正に履行しているかどうかで問われます。いじめの場合、「いじめ防止対策推進法」で定められている職務が適正に行われていれば、学校が責任を問われることはありません。ただし、生徒のいじめに加わって生徒の心を傷つけるような不適切な言動をとる教師には、法的責任とは別次元の、人間としての道義的責任や、教育者としての教育的責任が問われることとなります。

 また、加害生徒には人権侵害を理由とする不法行為責任が、さらに、その保護者には、いじめとの因果関係が認められる場合には、監督義務違反を理由とする不法行為責任が問われます。

 一方、いじめを解決するためには、加害者だけではなく、観衆傍観者も指導する必要があります。生徒一人一人が自分のしたことを正しく認識し、被害者の権利や心をどれだけ傷つけたのかを知るためには、ホームルームでの人権教育心理教育(2)2)③参照>を行ったうえで、周到な準備を行った教師の指導によるいじめについての具体的な話し合いが必要です。

 これらのことはいじめの再発防止にもつながるので、被害者側の人権保障の要望を簡潔に文書にまとめて学校側に提出したうえで、どのような対策を講じたのかも文書で回答してもらうようにします。これは、後に学校の責任(参照右コラム)を追及する時にも役立ちます。

(2)学校での指導

 日常の教育活動の中で、次の参照にあるような兆候に教師が気付いていじめを発見したり、学校に何らかのルートでいじめの情報が入ったりした場合の対応について考えていきます。

 

参照: いじめを見抜く教師の目をもつ 

□学級の枠を越えて、他の学級の児童生徒が出入りしていないか。 □学級の枠を越えて、何人かでこそこそと話し、教師の目を避けていない か。 □教師が現れると、急によそよそしくなったり、しらけたりしてしまう雰囲気はないか。 □廊下などで教師の視線から逃げようとしている児童生徒はいないか。 □給食や掃除のとき、いつも特定の児童生徒が当番をやっていないか。 □掃除や休み時間にトイレで群れになっている児童生徒はいないか。□最近、欠席・遅刻・早退が目立って増えてきた児童生徒はいないか。□いつもと表情の違う児童生徒はいないか。□ 何となく気掛かりな行動の児童生徒はいないか。 □ 休み時間や給食の時間にひとりぼっちでいたり、食欲がなかったりする児童生徒はいないか。□ 何となく話したそうな素振りをみせる児童生徒はいないか。□ 授業中の発言、態度、表情、振舞いなどに、これまでとは違った点が見られる児童生徒はいないか。□ 授業中などに、いつも特定の児童生徒が道具の後片付けをしていないか。□ 持ち物がよく隠されたり、落書きをされたりしている児童生徒はいないか。□ 班決めや席替えのとき、みんなに敬遠されている児童生徒はいないか。□ 机や椅子が壊されたり、汚されていたりする児童生徒はいないか。□ 生活の記録ノート、班日誌、作文、絵などにいじめのサインが表れている児童生徒はいないか。□ 保健室へよく行く児童生徒はいないか。□ 机、椅子、ロッカーなどの名前のラベルに落書きをされたり、はがされたりする児童生徒はいないか。□ 授業中などに、ひやかされたり、野次がとんだりしている児童生徒はいないか。<https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/120759.pdf

 

1)学校の指導       *凡例:<第n条>・・・いじめ防止対策推進法第n条

 いじめを予防・解消するために、学校の実情に応じていじめ防止に関する基本方針が定められ<第12条>、それに基づいて学校内のいじめ防止のための組織(いじめ対策委員会など)がつくられています<第22条>。

  いじめ対策委員会は、生徒の命や心身のケアを最優先する原則に従って、生徒の心のケアやいじめの概要の把握、それに基づく指導などを、学校を挙げて積極的に取組むための組織です<第23条>。

 いじめの情報を受け取った教師は、一人で抱え込むことなくいじめ対策委員会(管理職、生徒指導担当者、教育相談担当者、学年主任、養護教諭、該当生徒に関係する教師、スクールカウンセラーなどで構成)の開催を要請し、チームでいじめ問題を解決す

る体制を始動させます<第22条>。

 例:いじめ対策委員会での役割分担

  いじめに関係する児童生徒の気持ちや心身の苦痛を傾聴する係、加害生徒や観衆の指導を担当する係、いじめの全容を明らかにして関係生徒を指導する係、クラスの生徒へのアンケート調査や心理教育を担当する係、保護者や教育委員会地域資源などと連携する係など

 

 ただし、重大事態(生徒の生命・心身または財産に重大な被害が生じたり、生徒が不登校を余儀なくされていたりする疑いあると認められた場合)に対しては、いじめ対策委員会は、質問票の使用や個別面接などにより、重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行い、生徒とその保護者に対し、その調査結果を適切に提供することが義務付けられています。<第28条>学校は、教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、知事に報告し、知事は必要が有れば三者委員会を設けて調査を行い、その結果を議会に報告しなければなりません<第30条>。

【加害者や学校とのトラブル】

加害者や学校が「いじめは存在しなかった」と主張したり、いじめの事実を隠ぺいしたりする場合や、刑罰法令に触れたり損害賠償を請求したりする場合もあります。学校内では問題が解決できない場合は、学校における法律問題に詳しい弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

 また、いじめが解決するまで、被害者からの要望があれば、加害生徒別室登校<第23条>させたり、いじめの被害生徒に学校に来なくてもよい措置(オンライン授業の導入など)を講じたりすることにも配慮する必要があるでしょう。

 さらに、暴力や恐喝を伴ういじめのように、刑事事件に該当する場合は、直ちに警察署に通報するとともに、保護者会での事情説明や保護者へのいじめ防止への協力を要請し、教育上必要がある場合は、加害生徒に対して懲戒を加えることも考慮しなければなりませんし<第25条>、SNSにおける誹謗中傷に対しては、学校からの「書き込み削除」をプロバイダーに請求することも必要です。

【PTSD】心的外傷後ストレス障害

  PTSDとは、生死に関わるような身の危険に遭遇したり、他者が死傷を負うような場面を目撃したりすることで強い恐怖を感じ、そのトラウマが1カ月以上たっても、何度も繰り返し思い出されて生活に重大な支障を引き起こす精神疾患です。英語では Post-

Traumatic Stress Dis-orderと表記し、頭文字を取ってPTSDと称しています。

 とはいえ、加害者を探し出してを与えるだけではいじめの解決には至りません。継続的な相談活動の中で、被害・加害生徒の心のケア(カウンセリングやストレス対処法など)をスクールカウンセラーや専門医などと連携して行うとともに、「いじめがある」とか「同調圧力が強い」、「授業がわからない」などの問題があれば、児童生徒対等に話し合い支えあって安全明るく楽しい学校生活が送れるような学級・学校づくりを、学年団に支えられた学級担任の指導の下、PTAなどとも連携して学校全体で実践していくことが、いじめ防止対策の基礎なのです。

2)生徒への指導と支援  参照(1)

 いじめの指導において大切なことは、犯人探しよりもいじめに関係した児童生徒の心や生活を立て直すことです。被害者は心に深い傷を負ってしまっているので、PTSD(参照右上コラム)やうつ病などの精神障害や、不登校自殺といった深刻な事態に陥ることを防ぐ手立ても必要です。

 加害者観衆も、学校生活や家庭において強いストレスを受けている場合が多いので、単に罰を与えてすませるのでなく、いじめに走る歪められた心の痛みを聴きとり、それを解消していく方向を探らなければ立ち直りは期待できません。

 いじめを黙認している傍観者にも、いじめをなくして明るいクラスを作っていく主体的な行動がとれるように、ホームルームなどでのカウンセリングマインド(参照次頁コラム)を持った教師の指導・支援が必要です。

① 被害生徒 

 まず、「いじめは犯罪なので、いじめる側が一方的に悪く、あなたは絶対に悪くない。先生はいつでもあなたの味方だし、いじめをなくして皆が安心して学校生活を送ることができるように学校全体であなたを支援するからね。」と言って安心して話すことができるを作ることが大切です。そして今、どのような気持ちなのかを予断や偏見を排して真摯に傾聴して受容し、共感的に理解しようとします。

 即ち、いじめ被害者の心理()を把握した上で、いじめられている児童生徒の立場に立ってその訴えを肯定も否定もせずによく聴き受け止め、その心情をくみ取っていくことです。そして感じとった辛さや悔しさ、あるいは先生に告げ口をしたと思われたらその仕返しが怖いという気持ちなどを理解していることを言葉で伝えます(参照(1)1))。

 次に、「相手は大勢でいじめてくるので、親や先生、あるいは警察などの力を借りなければ、いじめを解決することはできないんだよ。決して自分ひとりで立ち向かおうとはしないでね。」と言って、心の負担を軽くしてあげましょう。そして、二度といじめが起こらないようにするために、事実の記録が必要なことを説明し、(1)2)と同様に、いじめの事実と心身の苦痛の状況を文書化します。これをもとにいじめ対策委員会の審議を促すのです。

【教師のカウンセリングマインド】

  どのような生徒であっても、的確な援助さえあれば自分自身の力で立ち直っていくことができることを信じて、生徒の不安や反抗・怒りなどにたじろがないで、「ひたすら生徒の気持ちを傾聴し、しっかり受容して、共感的理解を示す」((1)1参照)ことができる教師の心の在り方のことをカウンセリングマインドと言うようです。

たとえ心理学や精神医学などの専門的な知識や技術を修得していなくても、日頃から個々の生徒を個人として尊重し、生徒の声に耳を傾け、教育活動を真摯に実践反省することを繰り返している教師には、生徒が信頼を寄せ、相談しようという気持ちになっていくのです。

換言すれば、教師としてのアイデンティティ(自己同一性)を確立して日夜努力している反省的実践教師には、カウンセリングマインドが備わっているのではないでしょうか。

 

 一方、本人の希望に応じてクラスの席替えやクラス替えによって被害者の気持ちを少しでもにさせたり、心の傷が大きい場合は、生徒と保護者の了解を得て医療機関などへ紹介したり、また生徒・保護者の希望が強くやむをえない場合には休学や転校も配慮したりするなどの配慮も必要です<第25条>。

 さらに学校生活をよりよく過ごすために、担任相談係あるいは部活動の顧問などが、「友情」や「今後の学校生活や進路・生き方」などについて話したり、現実的なコミュニケ―ションのとり方などを学ぶSST社会技術訓練:人の考え方や思い・感情などを理解したり、自分の思考や感情の伝え方を練習したり、対人関係のトラブルを解決する方法を学び練習したりする方法)に取り組んだりして、自尊感情社会性を育てる支援も必要です。

②加害生徒(観衆を含む)

 加害生徒や観衆となった児童生徒たちには、被害者に接するときと同様に、まず、「何か嫌なことがあったのかな。」と、彼らの気持ちや言い分を傾聴したうえで、彼らの満たされない気持ちや劣等感などを受け止め共感的理解を示します。そして被害者の辛さ悔しさ不安恐れ孤独感、あるいは今までできていたことができなくなった不自由さなども考えさせ、被害者の人権を侵したことへの反省を促します。

 たとえ加害者が観衆たちを巻き込んで、面白がっていじめているように見えても、彼らの強い劣等感欲求不満(親の愛情の飢餓や低学力など)を解消する(親への攻撃性を親に投影したり被害者に転化したりする)ためにいじめに走っている事例では、いくら丁寧に規範意識や道徳観を教え込もうとしても、受け入れてもらえません(彼らが第二反抗期に該当する場合はなおさらです)。彼らを加害者としてみるだけでなく、被害者としての側面もよく理解しようとして接することで、彼らとの信頼関係を築いていくことが指導の第一歩となるのです。このような家庭ストレスが強い事例では、スクールソーシャルワーカー児童相談所などとの連携も必要となってきます。

   スクールカウンセラースクールソーシャルワーカー

① スクールカウンセラーは、カウンセリングを主な手法として、保護者や教職員へのコンサルテーションや関係機関との連係・調整を通して、児童生徒の心理領域)への働き掛けを主として行います。

② スクールソーシャルワーカーは、子どもの環境(福祉領域)への働き掛けを、関係機関との連携・調整を図りながら行うことによって、児童生徒のケアを行うものです。

* 両者は相補いながら教師と連携して、児童生徒の実情に応じた心身のケアを担っています。

 一方、いくら心のケアを行おうとしても全く反省の様子がない場合は、社会性やパーソナリティに偏りがあるかもしれないので、スクールカウンセラー専門医に相談します。また必要があれば、加害生徒に別室登校懲戒など、他の生徒が安心して学校生活を送ることができるような措置をとったり、保護者や関係諸機関などとの連携を密にしたりするとともに、保護者同士で話合わせてトラブルが生じることがないように配慮することも必要です<第22・23条>。加害者に反省の気持ちが出てきたら、被害者の場合と同様に、いじめた事実を文章化していじめ検討委員会に提出したり、今後のクラスメイトとの付き合い方を考えさせたりします。

③ 傍観者

 いじめに無関心を装う多くの傍観者は、「いじめは絶対にいけない」と思っていても、それを行動に移すことができません(参照 (3))。彼らは、親に教えられたり、社会科や道徳などの授業で教わったりして、「いじめたら罰せられる。いじめは犯罪(命さえ奪う人権侵害)だ。命は何よりも大切だ。多様性は尊重されなければいけない。いじめられた人を助けると自分がいじめられる。」など、多くの知見を持っています。しかし、彼らには、このような知見をもとに、自分で、「どうしたら善く生きることができるか」を考え、周囲の人とも話し合ってそこで得られた様々な意見を自分自身にとって最善の行動に結び付けていくようなが身についていないのです。

その力を養うためには、いじめは許さないという一貫した態度で、児童生徒一人一人の人権を尊重し、明るく楽しいクラスづくりを目ざす教師(教師集団)が指導するホームルーム活動が必要不可欠なのです<参照 2),次頁>。

 

3)いじめをなくするホームルーム活動 

① 心理教育 

* スクールカウンセラーなどと連携して、担任は以下の内容を説明し理解を促します。

・ いじめの定義(参照)

・ いじめ不当な人権侵害(犯罪・差別)である(参照)ので、加害者が一方的に悪く、被害者は悪くない(誰にもいじめる権利はなく、どのような理由も認められない)

・ いじめる側は大勢で強いので、いじめを察知したら、事実を正確に親や教師、警察などに通報して、解決を任せたほうがよい(一人で立ち向かったり、泣き寝入りしたりしない)

・ 無関心は、いじめを助長する

・ 学校は全力を挙げていじめから皆を守る(安心して学ぶ権利などの人権を保障する)

・ いじめが解決しない間は、学校は加害者を別室登校にしたり、被害者を自宅学習にしたりする、などの配慮を行う。

 

② 教師自身の権利を守る実践の開示

 教師自らが身近な権利保障の行動を語ることによって、児童生徒に、いじめや差別のない明るい未来は自らの手で切り開くことができるのだという現実的な展望を与える。

 例: 家事・育児の協働(性別役割分業論なども関連付けて話す),組合活動(定年の延長や賃上げなどの交渉),投票行動,種々の署名活動など

③ クラスでの話し合い

 自分がいじめられて困ることは?どのような助けが必要か?自分が果たすことができる役割は? 児童生徒が生の声をぶつけ合い、それらを調整することによって、いじめをはじめとする種々の人権侵害対応する方法考える

 ロールプレイ(役割演技)

 ③で話し合ったいじめに遭遇したことを想定した役割分担(被害者を支える、いじめを仲裁する、教師に通報するなど)を行い、擬似体験を行うことで、実際にいじめが起こったときに適切に対応できる行動力を身につける。

 このような「いじめをなくするホームルーム活動」が展開されることによって、児童生徒の皆が心理教育による基礎知識を基に、個人で考えたことを、小グループでの話し合いから全体への話し合いを経て、実際にいじめに遭った時に有効となる対応の仕方がわかるようになります。その対応の仕方をロールプレイ擬似体験し、感じたこと考えたことなどを皆と話し合い、そこで体験した内容を共有しあうことによって、被害者や加害者、あるいは傍観者たちが、お互いの考え方や感情・行動についての理解も深まり、いじめによる心のわだかまり(不信感、恐怖、不安など)も薄らいでいくとともに、皆が問題の解決に向けて主体的に対応する力が身についていくのです。